病室内にあるソファーに座って、窓の外を見る。


じいちゃんの治癒術のおかげで、あたしの体の傷は……ほぼ完治。

明日退院して良いって、主治医の先生から言われた。

無理はしないように、明日からは自宅で静養する。


「……なんで……来てくれないの……?」


仕事と学校で忙しいのは、充分わかってる。

ここに来るのだけでも、時間かかるし……無理なのかもしれない。


それでも、ちょっとくらい……傍にいてくれないの?

あたし……我が儘言いすぎ?


「……もう……長くないんだから……ちょっとくらい我が儘聞いてよ……」


夢の中で繭ちゃんに告げられた余命は、あと1週間。


要らない人間は、もう消えてあげるから……最後くらい会いたい。

二宮さんとの仲を邪魔したりしないから……。