お茶の入った湯のみをテーブルに置く。


「話はわかった。二宮のことは、俺がケリつけてくる」


杏の不安要素を取り除かなきゃ、笑ってくれない。

あの笑顔を取り戻す。

アイツを守るためなら、どんなことだってやれるんだから。


「……杏への呪いは、どうしたら解けますか?」


まっすぐに御祖父様の方を見た。


「そうじゃな……闇の中にある杏樹の心を光へ連れ戻せたら……大丈夫じゃろう」


俺を見て……ニヤリとすべてわかったというような笑みを浮かべる。


それは、“お主ならば出来るじゃろう”と自信満々な表情。

この方には、今からやろうと思っていることが……わかっていて、許してくれてる。


ならば、その通りにさせていただくだけだ。



「お願いがあります」




この場にいる全員に、ひとつ頼み事をした。