両手を俺の首にまわし、首筋に顔を埋めて…抱き着いたまま寝てる杏…。


いや。

いつも寝る時は、俺に抱き着いて寝るんだけど。



今の状態は………。





・・・・。




「ハァ…………」



ため息を漏らし、ひとまず俺から離れさせようとする。



「〜〜〜〜っイヤァ〜……」

「・・・。」


余計に強く抱き着かれて、ますます離れない。



「…これじゃ……制服も着せれねーじゃん」


春とは言え、さすがに下着だけでは風邪引くよな。

早く着せねーと……。




自分の理性と闘いながら、どうにか杏に制服を着せた。


「………あとで……この分のツケは体でたっぷりと払ってもらうからな」


柔らかい頬をムギュっとつねる。




その時、俺の携帯が鳴った。