しかも、商談の場所として指定してくるのは、すべてホテル。

ホテルの中にあるレストランで食事を兼ねて、2人で商談をする。


そして終わると、必ず決まって……部屋に行かないかと聞くんだ。


ありえねぇ。

杏以外ムリ。


というか、オバサンが高校生を誘うのか?

杏以外……女として見れねぇし。

抱く気にもならない。


毎回の商談がストレス。

たまに、殴りたくなるし・・・。



「杏ちゃん…サプライズで“ただいま”って帰ってこねぇかな」


一晩で良いから、抱きしめたまま寝たい。


ありもしないことを考えていると、着替えが終わった。


二宮との待ち合わせは、6時。

そろそろ家を出なければ……。


鞄に書類を入れていた時───…。


「陸様!テレビをつけて下さい!」


ノックもなしに、お手伝いの岡本さんが入ってきた。