握りしめたつもりだったのに。

あたしの体にはまったく力が入らなくて……陸の胸に寄り掛かることしか出来ない。



「もう降参……?」

ニヤニヤした陸の表情が見なくてもわかってしまう。



シャツの中に手を滑り込ませて、ブラの肩紐をずらした。


「なに…して…」

「マーキング」


柔らかくて熱い唇が、あたしの左肩に印を付ける。

そのまま鎖骨へ降りていき……キスの嵐――。

胸の谷間までくると、かぷりと甘噛みされた。



「もう……だめ………りくぅ…」

「フ〜ン?俺が欲しくなった?」

「………っっ……////」


陸の発言に一気に体温が上がる。



「りくしゃん………ほしい。だめ?」

「ちょっ………杏ちゃん!?」



熱に冒されたあたしは、自分から唇を重ねた。