下を向いてると、涙が溢れてきそうなので…ゆっくりと顔を上げる。

そして、二宮さんの首辺りで視線が止まった。


「え……ぁ……っ…」


あたしが見間違えるはずがない。

だって、ついこの間まで身につけてたんだもん。



二宮さんの首には、陸がつけてるネックレスと同じモノがあった。

同じって言っても、サイズは少し小さい。

陸のモノとペアなんだとわかった。



「……あたし……要らないモノなんですね……」



いつからだったんだろう?

陸の邪魔モノになったのは…。


「私からの話は終わりよ。バカでもわかるわよね?」

クスッと笑うと、席を立つ。


─────陸と別れて。


言葉にしなくても、もうわかってた。



支払いを済ませて、レストランを出た。