会長が使っているからか、ベッドからはシトラスミントの良い香りがする。

香水かな?

陸が使ってるのはちょっと甘めのヤツだもんね。


「……この香りって、会長が使ってる香水ですか?」

「あぁ」

「良い香りですね。あたし好きだなぁ……」


ちょっとだけ顔を出して、微笑みかけた。

陸とは違うけど、何だか安心する。


「お前だって、香水つけてるんだろ」

「いいえ?つけてないですよ?」

「…………」


答えると、会長の目が、キョトンとなった。

香水なんて、一度もつけたことなんかない。

つけ方もイマイチわからないし………。


そう続けると「……お前らしいな……」と会長が微笑みながら、あたしの頭を撫でる。

ちょっとひんやりとしてて、気持ちよかった。

されるがままで、会長に身を任せる。


このままなら眠れそう………。

会長の淡いブルーのシャツに手を伸ばす。


キュッと握りしめた。