会長が優しい………。

あの八岐大蛇の会長が、笑ってる。


「………明日、隕石が落ちるかも」

「あ?何だと」

「なんでもありましぇん……」


優しかったのもつかの間。

すぐに八岐大蛇に変身した。


恐ろしい八岐大蛇の睨みから逃れるため、布団を頭の上まで引っ張り上げる。


「………明日から昼寝出来ねぇかもな」

「えっ……?」


小さな会長の呟きが聞き取れず、聞き返した。


「何でもない」


フッと笑う会長は、教えてはくれない。


ケチ。教えてくれたって良いじゃないですか。

でも、あたしも寝不足の理由を答えなかったから……おあいこかな。


視界を遮った布団の中でそう思った。