チャプン…とプールの水が揺れた。

浮輪から水の中に落ちたため、あたしの髪からは雫が滴り落ちていく…。


あたしの肩と腰にまわされた会長の腕が熱い。



「かい…ちょ……何して……」

「…やっと欲しいモノを見つけたのに…」

「…??」

「…なんで人のモノなんだ」


苦しげな吐息と同時に吐き出された言葉…。

会長との間に、手を入れて押し返そうとするが、男の人の力には到底勝てない。

ただ頭はパニック状態のまま…会長に抱きしめられるてる。


「は…離して……くだ……」


腕の中から出た声は、会長の耳に届いたどうかも怪しい程…小さな声。


「………っ……」


ギリッと会長が、歯を食いしばる音が上から聞こえた。