熱出すって…恐ろしい。

いつもの杏じゃなくなる。

知らなかった一面を見ることも出来るが……。



「……杏?」

「あぅ───…?」

「ちゃんと飲めたら、『Blossom』のライブDVDつけてやるぞ」

「……やっ!」


プイッと背けられた。

『Blossom』……ダメか。


「飲めたら、アイス持ってきてやる」

「・・・・・やっ!」


ウソだろ……杏が食い物に興味を示さねぇ。


「……薬……嫌い……」


バフッと布団を頭から被り、小さく縮こまる。


「……ホントに手の掛かるかぐや姫だな」


一旦ベッドを離れ、テーブルに置いていた薬を取りに行き…ベッドへ戻った。


「………杏、キスしてやるから、顔出せ」

「あ───…」


キスには反応するらしい。

素直に顔を出す。