すべての始まりは、4月に起きた事件。


「4月から学園の近くで、通り魔事件が、数件あっただろ?」

「あぁ…」

「朝比奈理事長から、杏は…その犯人から東雲の生徒達を護ってくれと、頼まれたんだ」

「みーちゃんが、私達を護る?」


安斎の質問に、肯定として頷く。


「未子って、武術の達人とかなの?」

「いいや?運動神経は抜群だけど…武術には秀でてねーよ」

得意なのは、弓道ぐらいだっけ?


「じゃあ、どうやって護るんだ?」


来たか。

杏の家の秘密。

もうひとつ…デカイ秘密はあるけど……。



「杏の家は、ちょっと特殊でな……。その力を使って、犯人から護るように頼まれたんだよ」


意味がわからないのか、首を捻る4人。


「…昨夜、何か女の子に向けて、言った言葉を聞いてなかったか?」


会長に目をやって、問い掛ける。