見回りのこと。

昨夜の事件。

今日の学園でのこと。


ゆっくりと、ベッドカバーを握りしめたまま、陸にすべて話した。


「迷惑かけて…ごめんなさい…」

話した最後に、さらにカバーを握って…謝る。

大切な仕事の邪魔しちゃった。

陸の彼女失格だ……。


目に涙が溜まってくるのがわかる。

止まることなく…溢れてきて、ポタポタとカバーにしみをつくった。



「…杏」

「………」

「…杏」

名前を呼ばれて、少しだけ顔を上げる。

怒ってると思っていた陸の表情は……悲しげに眉を下げていた。


「……り……く…っ…」


あたしが顔を上げると、腋に手を差し込み、抱き寄せられる。

腕の中に、閉じ込められた。