「…診断を聞いてくるから、帰る支度してろ。東雲に帰ってから、話は全部聞く。杏、いいな?」

「………」

無言のまま…コクリと頷いてみせる。


「……皆さんにも、寮で説明します」

そう言うと、陸は病室を出て行く。



「なんで…滝本君が…?」

「神崎って…吉川じゃないのか?」

「………杏……?」


東雲の生徒会メンバー達とあたしだけになった病室では、次々と質問が出て来た。


「…ごめんなさい……。帰ってから、全部お話します」

会長やありさちゃん達に向かって、静かに返した。


皆に、一旦…病室を出てもらって、制服に着替える。


おじいちゃん先生から、診断聞き、薬をもらって来た陸と一緒に、東雲へ帰った。