「あら…ごめんなさいね?醜い庶民の方は、わたくしの視界に入っていなかったわ」
どこのお嬢様かは…知らないけど、思いっきりぶつかられた。
元々…フラフラしていた体。
お嬢様の体当たりに、あっさりと負け…廊下の壁に体をぶつける。
カシャン……
メガネがぶつかった衝撃で、床に落ちる。
「……っ……」
痛い…。
『また………迎えにくるからね……お姉ちゃん…』
女の子の声が、脳内に響いて…手の感触がなくなった。
怖さと、限界の体………。
体当たりで、背中と後頭部をぶつけたのか───立つ力も抜け、教科書を下に落とす。
……陸……助けて………
心の中で、1番会いたくて…すがりたい人を思い浮かべ……そのまま意識を手放した。


