化学室は、階段を下りて……校舎の端だったっけ?

グラグラする視界のせいで、ちゃんとした判断が、出来ない。


『……お姉ちゃん……』

「え…」


声が、頭に響く。

昨日の女の子の声だ…。


ぼーっとしていた目線を上げた。


「………!」

ギュッと持っている教科書類を握りしめる。


「……なんで…いるの……」


昨日…見た女の子が、数メートル先に立っていた。

幻覚だと思い、一度…目を閉じる。


『……わたしと……遊ぼうよ…』


バシッ…!

「…!?」

昨夜と同じく…右手首を掴まれた。

ニヤリと口端を上げ、あたしを見上げている。


ちょっと待って……なんで学園内に……。



パニックになりかけた…その時。


ドンッ…!!


「ひゃっ…!?」