地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ

頭を金づちで、連打されてるみたいな痛さ。

吐きたくても、吐けない。

ベッドから、起き上がっただけなのに……グラグラと視界が揺れる。



「……気持ち悪い……」


手で口を押さえた。



「え……」


カーテンから入ってくる朝日が、あたしの右手首を照らす。

右手首には───…子供の手形の跡が、くっきりとついていた。


「…寝る時までは…なかったのに……」


寝ていた数時間で、跡がついた。



ドクン……と心臓が鼓動を打つ。



「大丈夫だもん……陸のことは、忘れてない…」


枕元に置いたネックレスを見て、陸のことを思い出せた。

被害者達のように、大切な誰かを忘れたりは…していない。


「…大丈夫……大丈夫…」


自分に言い聞かせるように呟く。