扉に両手をつき、上から見下ろされる。


「…陸…っ……」

「ん〜?」


あたしの髪に指を絡め…頬を撫でられた。


「ち…近い……」

「さっきまでキスせがんでた奴が何言ってんの?」

「あわわわ……」


顎を上に向けられ、指先で唇に触る。

顔が真っ赤になるのがわかった。


「……かんざし似合ってるけど、今からは邪魔だよな」

「え…」


下に向けていた目線を、上げた瞬間……


バサッ……


サイドにまとめられていた髪を解かれる。

強めにカールした髪の一束が、あたしの顔にかかった。