キスが終わっても…抱き着くことはやめない。

背中に腕をまわし、陸の胸に顔をうずめる。


「…今日は、かなりの甘えん坊だな?」

「ん………」

「……ククッ………」


あたしが、甘えることが珍しいのか…微かに笑うと、頭を撫でた。

そのまま…近くにあった石のベンチに座る。

陸の足の間に座らされ…後ろから抱きしめられた。

目の前には、大きな池が広がる。


「……鯉もいるんだな」

「うん。チュウ…見られちゃったね」

「もう一回、見せ付けてやるか」

「バカ……」


ニヤッと妖艶に笑う陸には勝てなくて…再び身を任せた。


「この…キス魔め…」

「悪いか?」

「……全然。陸…もっかい…」

「杏の方がキス魔じゃねぇか」


クスクスと笑い合って、おでこをくっつける。