「何でもありません」

会長の視線が気になったけど、貫き通す。


零ちゃん達は、こういうパーティーには慣れてるみたいで……会場内に居ても、全く違和感がない。

何か……浮いてるのあたしだけだなぁ。


「…なんで来ちゃったんだろう」


早くも、来たことに後悔し始めていた時だった。




「未子!」

「え…?」


突然、後ろから名前を呼ばれる。

東雲の皆は、あたしの目の前にいるから、東雲の人間ではないと思った。


「やっと見つけた!久しぶりね」

「ひゃあ…」


名前を呼んだのと…あまりかわらないくらいに、誰かに抱き着かれる。


「え……?」

「まったく…キレイになっちゃって。彼…絶対見とれちゃうよ?」


よく知っている声。

振り向くと、あたしに抱き着いていたのは───



「柚莉!」