「……こ?」

「……みこ?」

「未子!?」

「えっ……?」

「えっ…じゃないわよ。どうしたのよ、ぼーっとしちゃって…」

「ごめん……」


呆れ顔の零ちゃんに、苦笑いで謝る。


あたし……ぼーっとしてたな。

いかんいかん…今は、生徒会の仕事に集中しなきゃ……。


軽く頬を叩いて、パソコンの画面に向き直る。

作りかけの資料を完成させた。



………被害者を訪ねてから、1週間が経つ。

あたしの頭の中は、常に…あの男の子が言った言葉で、埋め尽くされていた。

『元に戻して下さいっ…』

その言葉が、耳から離れない。

被害者の彼氏さんの望み。

叶えられるなら…今すぐにでも、叶えてあげたい。


「…でも……無理なんだよ……」


いくら探しても、被害者を元に戻す方法は…見つからない。