――杏樹Side――
被害者のひかるさんと話してみて、わかったこと。
彼女の身体的外傷は、もうほとんど完治している。
話し方もしっかりしているし、多少の表情の変化もある。
だけど――――…。
「かごめ…かごめ…」
「………」
「籠の中の鳥が…」
「まただ…」
「いついつ出会う……」
「もう100回以上よ…」
「夜明けの晩に…」
「………」
「鶴と亀が滑った…」
「……」
「後ろの正面だあれ…?」
歌い終わった後……ニヤッと口角を上げた。
その表情は……先程までのかわいらしい少女の笑みではなく、背筋がヒヤリと冷たくなる畏れの笑み。
「もう……10回は歌ってる…」
あたしが病室に来てから、彼女は…『かごめかごめ』を何度も歌う。
被害者のひかるさんと話してみて、わかったこと。
彼女の身体的外傷は、もうほとんど完治している。
話し方もしっかりしているし、多少の表情の変化もある。
だけど――――…。
「かごめ…かごめ…」
「………」
「籠の中の鳥が…」
「まただ…」
「いついつ出会う……」
「もう100回以上よ…」
「夜明けの晩に…」
「………」
「鶴と亀が滑った…」
「……」
「後ろの正面だあれ…?」
歌い終わった後……ニヤッと口角を上げた。
その表情は……先程までのかわいらしい少女の笑みではなく、背筋がヒヤリと冷たくなる畏れの笑み。
「もう……10回は歌ってる…」
あたしが病室に来てから、彼女は…『かごめかごめ』を何度も歌う。


