対決に負けたことを悲しんでいたら………


「杏チャン、罰ゲーム♪」

「はい!?」

「5分間、杏から濃厚キスな」

「………は?」


ニヤッと口端を上げる閻魔大王。


その笑みは妖艶で…色っぽくて…逆らえない呪縛。


いや………違う。



逆らいたくない呪縛だ……。



「……そんなこと…罰ゲームに…ならないよ」

「……フッ…」


微かに笑った陸に、ゆっくりと唇を重ね合わせた。

静かに、腕を陸の首にまわす。

あたしに応えるように、陸の両腕も……後頭部と腰にまわってきた。



「……っ…り………」



名前を呼ぼうとした瞬間…。



♪〜〜〜♪〜〜♪〜



「え?」

「……チッ…」



ローテーブルに置いていた陸の携帯が着信を知らせる。