「どうぞ」

電話口の声と変わらない。


「…坊ちゃま、失礼します」


お手伝いさんのような口調で、ドアを開けた。



「どうかしたのか?」


ソファーに座って本を読んでいた陸が、顔を上げて…あたしの方を見る。



「は………!?」

「えへへ…騙されたぁ〜♪」

「杏?」

「うん、ただいま!」



サプライズ訪問…大成功♪

陸様…ポカ〜ンとしてます(笑)



「閻魔大王…マヌケ面♪」


クスクスと笑って、ソファーにいる陸に近づいた。


「言ったな、バカ杏」

「うわっ…!?」




調子に乗ったからなのか……。

陸に腕を引っ張られて……いつの間にやら……


「朝から喰っていい…?」

「………どいて変態」


ソファーに寝かせられていた。