すると―――…。

「未子?雅人(まさと)はダメだからね?」

「へっ?」


零ちゃんが、あたしに忠告する。


「雅人は、私の彼氏だから。未子には渡さないからね?」

「零ちゃんの彼氏さん?」

「そーいうこと♪」


ニコニコと笑って、西国君に腕を絡めた。

ラブラブだねぇ……。


「零と同室なんだよね?色々と迷惑かけるかもしれないけど、よろしくね?」


柔らかい笑みを浮かべて、「零をよろしく」と続ける。

西国君の零ちゃんを見る目が、本当に愛しくてたまらないって感じで……

素直に「いいなぁ…」と思った。

こんなカップルが近くにいたら、陸に会いたくなっちゃいますよ……。


「……傍に居られて…いいな…」

「未子?」

「みーちゃん?」

「吉川さん?」

「………。」

「な、何でもないよ!」


皆に視線を向けられる。


慌てて否定したけど……やっぱり羨ましかった。