お金持ち学園ってことなのか、教室は階段状に並んでる。


あたしの席は、最後尾の1番窓際。

特等席だ!



今から始まる授業は、数学。


机の上に置かれた大量の教科書を片付けながら、数学の教科書を引っ張り出した。

パラパラとめくる。



「……なんだ。これくらいなら、ついて行けそう……」


難易度は、松沢学園よりもあまりなかった。

わからなくなったら、陸に教えてもらおう……。




フムフムと考えていると………。






「あの吉川さん………?」


「はい?」




突然…隣の女の子から、声をかけられた。

教科書から目線を外し、隣を見る。




「私、朝比奈零(あさひなれい)。よろしくね?」



ものっ凄い美人から、手を差し出された。