………固まった。


体も、思考回路も。

フリーズして…声が出ない。

目だけが、大きく見開かれる。




「良いんですか………?」

「えぇ。東雲学園に転校させていただければ、孫娘が学園の警備をしますよ」

「………しかし、杏樹さんは高校生3年では……。進路は……」




朝比奈さんが言った“進路”


さっき……『一緒に卒業して、一緒の大学に行こうね!』


って……陸と約束して来たのに。



水族館での出来事が脳裏をよぎる。




「……東雲に………転校……?」


ボソッと呟いた。



「心配はいりませんよ」



あたしの表情をちらっと見ただけで、朝比奈さんに笑顔を向ける。



そして……神崎家当主、一族トップのじいちゃんが、あたしに命令を下した。