突然問い掛けられ…彼女に見とれていたため反応が遅れた。



「えっと……この子が泣いてたのが聞こえて……どうしたのかと見に来たところなんです」

「そっか……どこの子かわかった?」

「いえ………」



彼女は松沢学園の制服を着ている。

自分達よりは上級生かと思われた。



「まんまぁ〜〜〜まんまぁ〜〜」

「あらあら………」


母親を呼ぶ声が一段と大きくなる。



「よいしょ………」

「「え…?」」

「ぼく?どうしたの?」



彼女は肩にかけていた鞄を地面に置いて、男の子に近寄り抱え上げた。


目線を合わせて問い掛ける。




「ひじゃ………いたい……」

「膝?」


そう言って、子供の膝を見た。