飛び出したのが真夜中だったために電車なんかもう動いていなかった。 外灯で均等に照らされた闇の道は まるで 地獄に続いているように 深かかった。 お父さんの財布から抜いた一万円と 数枚の着替え。 果たしてこれでどれくらいやっていけるのか 今のあたしには 未知の世界だった。