心底では嫌がる気持ちに蓋をして、着替え終えた私はグランドへと向かった。 「こんにちは」 「おう、来たか」 「ちわー」 返って来るのは男達の声だけ。 女子達は、こちらをチラッと見るとすぐに視線を元に戻し、ヒソヒソと話し出す。 正直、気持ちのいいものではない。 アップ時に使用するミニハードルを並べていく。 ミニハードルの高さや間隔を変え、数種類用意しなければならず、その数も決して少ないとは言えない。 それを1人で並べるには、結構な労力を使う。 ずっと中腰での作業は、腰も痛くなる。