全ての授業が終わる頃には、濡れた上履きも大分乾いてきた。 足元から奪われる体温によって、全身から熱が失われていく様な気がしてならない。 早く帰りたいけど部活がある。 行きたくない。 でも行かなきゃいけない。 こんな時に亜耶がここから連れ去ってくれたら… と、いけない考えが浮かぶ。 教室を見渡してみても亜耶の姿はない。 もしかしたら、愁先輩を手伝っているのかもしれない。 仕方がない。 部活に行くか。 と言う割に、行動が伴わっていない。 自分でも往生際が悪いと分かる。