「じゃ、そろそろ帰ろうか」 「はい」 戸締まりをして、外へと出る。 「…葉山、ごめん。待った?」 「いや、大丈夫」 「あっそ。じゃ、帰ろ」 「吉沢、冷てぇな」 「副部長、お疲れ様でした」 ペコリとあいさつし、校門へと向かった。 「待てよ」 後ろを追い掛けてくるのは、葉山。 「待たない」 振り向きもせず、スタスタと歩いて行く。 葉山は不思議な奴だった。 知り合ってすぐに、こんなにも打ち解けられたのは、葉山のお陰なのかもしれない。