「うん。わかった」

本当に聞きたい事は飲み込み、返事だけを返した。


「わかったなら授業に戻れ。しっかり勉強しろよ」

「はーい。頑張りまーす」

身体から離れていく腕が寂しく感じた。




先生と別れ、一人教室へ戻る。


扉を開くと―――




「吉沢、遅刻だな。早く席つけ。」

にやつく顔で見てくるハゲ頭。


「よりにもよって世界史か。もう少し遅れてくれば良かった」

「残念だったな。放課後、まだやってなかったテストやるからな」


ちゃっかり覚えていやがる。


「えー、忘れてくれればいいのに!」

反抗を試みるも玉砕。


居残り確定!