今日は7月3日であった。


-展覧会、か。そういえば確かキャンパス内の掲示板に、美術サークルの宣伝ポスターが貼られてあったっけ-


武浩にとって、この日は特に、一週間の内でも大学に行くのが億劫な日であった。なぜなら、午後に一限だけしか授業の無い日だったからである。
だが今日は、展覧会に行ってみたいという気持ちであったため、怠惰より興味が上回った。
ここで一つ断りを入れておくと、武浩は絵画に全く興味は無い。彼が見たかったものは、美加華と奈津子、その二人の闘いの結果であった。
前回の日記の内容を抜粋すれば…


-7月1日の展覧会までには決着を付けないと-


もし日記に書かれている内容が正しければ、もう二人の決着はついているはずなのだ。
大学のキャンパス内にある掲示板の案内を元に、武浩は、展覧会が行われている教室に向かった。


…ボールペンとアンケート用紙がついたバインダーを渡された武浩は、早速教室内に入った。