「お互い…頑張ろう?」
「…え?」
撫でるように優しく声をかけると、苺先輩は顔を上げる。
「苺先輩…好きな奴いるよね?」
「…」
「俺は…やっぱり苺先輩が好きだから…いや、もっと好きになったから、想い続けるよ」
忘れようとしたって絶対に無理だ。
こんなに…こんなにも好きだから。
「苺先輩は?」
尋ねると、苺先輩はゆっくりと震える唇を動かす。
「想い続ける…」
その答えは俺の失恋を決定付けるもの。
だけど、不思議なくらいにほっとした。
「じゃあ、頑張ろうっ!」
「うん……ははっ」
俺がガッツポーズをして見せると、苺先輩はやっと笑った。
「翔くんがあたしの応援するのは変だよ」
「いーの!」
苺先輩が笑ってくれると嬉しいから…変でもいい。
「翔くん」
「ん?」
「ありがとう…」
ドキッ…
思わず俺は絶句して、顔が一瞬にして熱を帯びるのを感じる。
苺先輩は特別可愛い容姿じゃない。
だけど、月明かりの中「ありがとう」と微笑んだ彼女は、今までに見たどんな女の子よりも可愛かった。



