13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「お互い…頑張ろう?」
「…え?」

撫でるように優しく声をかけると、苺先輩は顔を上げる。

「苺先輩…好きな奴いるよね?」
「…」
「俺は…やっぱり苺先輩が好きだから…いや、もっと好きになったから、想い続けるよ」

忘れようとしたって絶対に無理だ。

こんなに…こんなにも好きだから。


「苺先輩は?」

尋ねると、苺先輩はゆっくりと震える唇を動かす。

「想い続ける…」

その答えは俺の失恋を決定付けるもの。
だけど、不思議なくらいにほっとした。

「じゃあ、頑張ろうっ!」
「うん……ははっ」

俺がガッツポーズをして見せると、苺先輩はやっと笑った。

「翔くんがあたしの応援するのは変だよ」
「いーの!」

苺先輩が笑ってくれると嬉しいから…変でもいい。

「翔くん」
「ん?」

「ありがとう…」

ドキッ…

思わず俺は絶句して、顔が一瞬にして熱を帯びるのを感じる。

苺先輩は特別可愛い容姿じゃない。
だけど、月明かりの中「ありがとう」と微笑んだ彼女は、今までに見たどんな女の子よりも可愛かった。