13センチの片想い。私とアイツの恋の距離



でも、そんな俺の願いとは真逆に、苺先輩は俺の名を小さく呼んで、そっと体を離した。

「あたしは…やっぱり…翔くんとは付き合えないよ」

それは予想していた言葉。

「でもっ」

それでも、受け入れたくない自分がいて、説得しようと言葉を探す…けど、

「ごめんね…」

俺はもう何も言えなくなった。

苺先輩が…真っ直ぐ俺の目を見て謝ったから。

「ごめんなさい…」

苺先輩の目からは、また大粒の涙が頬を伝う。

控えめで、どちらかと言えば人に流されてしまうタイプ。
そんな先輩が、頑なに意見を変えようとせず、必死に謝っている。
嫌だけど…

「…うん」

受け入れるしかないと思った。


熱くなる目頭、震える口元にぎゅっと力を入れる。そして、

「苺先輩、元気出せって~」

精一杯笑った。だけど、やっぱり声は震えてしまって情けない。

そんな俺の姿に気付いてか、苺先輩の涙の勢いは増す。

「うー…っく…え…っ」
「もー、苺先輩…」
「っだって…」

今流れている涙は、俺の事を思って流してくれている涙。

理由はどうあれ…それがとても嬉しく思えた。

悲しいはずなのに、俺の顔に自然な笑顔が生まれる。