13センチの片想い。私とアイツの恋の距離






「苺先輩!…っ先輩っ!」
「きゃっ…」

走る苺先輩の腕を掴んで止めようとすると、その反動で苺先輩は倒れそうになって、咄嗟に抱きしめるような形で支える。

夏祭り会場の神社から出て、少しした所でやっと苺先輩に追いついた。

「っ…ふっ…」

苺先輩はふらっとしながら体を離すと、そのまま力なくしゃがみ込んだ。

「先輩…」

目からは大粒の涙。

苺先輩の気持ちは知っていたけど、正直ここまでとは思っていなかった。

「っく…ふぇ…っ」

声を必死に殺しながらも、止まらないとばかりに泣く苺先輩の姿に、胸がズキズキと痛む。

好きな人が他の人を想って号泣している。

それは…痛くて、苦しくて、しょうがない。

「苺…先輩…」

自分も泣きそうになりながら、そっと座り込んで、苺先輩に目線を合わせる。

「っ…ごめん…ねっ…」

涙を流し続けながら、声を絞り出して謝る苺先輩を見て、俺は抱きしめずにはいられなかった。

「いいよ」

胸に感じる苺先輩の温もり。
今日は“熱帯夜”と呼ばれるほど暑い夜なのに、ちっとも嫌だと思わない。

むしろ、離したくないと思う。

ずっと…ずっとこうしていたい。