☆翔side☆
「あー…あっちー…」
誰も居ない昼前の教室。
片手に持った下敷きで、バタバタと扇ぐ音だけが響く。
毎日忙しいわけじゃないけど、新入生の俺には毎日が新しい事の連続で、気付けばあっという間に夏なっていた。
そして今は、楽しい夏休みの真っ最中…な、はずなのに学校に居る。
視線を少し落とせば、空白だらけの数学のプリント。
「あ!檜山!ちょっと数学教えて!」
ちょうど教室に入って来た、体操服姿の檜山を呼ぶと、
「…まだ補習やってたんだ」
足を止め、飽きれ気味に言われた。
夏休みだというのに、学校なんかに来ているのは、数学の成績が良くなかったから…補習。
机にあるこのプリントをやれば帰れるのだが、なかなか進まず…数人居たはずの教室には、ついに誰も居なくなった。
檜山は黙って俺に近付くと、机の上のプリントを見る。
「全然進んでないじゃん」
「だから教えてって言ってんの」
「はぁ…しょうがないな」
本当に仕方なさそうに、檜山がプリントに手を伸ばしたその時だった。
~♪
プリントの横に置いた携帯が、流行りのラブソングを流す。
「あー…あっちー…」
誰も居ない昼前の教室。
片手に持った下敷きで、バタバタと扇ぐ音だけが響く。
毎日忙しいわけじゃないけど、新入生の俺には毎日が新しい事の連続で、気付けばあっという間に夏なっていた。
そして今は、楽しい夏休みの真っ最中…な、はずなのに学校に居る。
視線を少し落とせば、空白だらけの数学のプリント。
「あ!檜山!ちょっと数学教えて!」
ちょうど教室に入って来た、体操服姿の檜山を呼ぶと、
「…まだ補習やってたんだ」
足を止め、飽きれ気味に言われた。
夏休みだというのに、学校なんかに来ているのは、数学の成績が良くなかったから…補習。
机にあるこのプリントをやれば帰れるのだが、なかなか進まず…数人居たはずの教室には、ついに誰も居なくなった。
檜山は黙って俺に近付くと、机の上のプリントを見る。
「全然進んでないじゃん」
「だから教えてって言ってんの」
「はぁ…しょうがないな」
本当に仕方なさそうに、檜山がプリントに手を伸ばしたその時だった。
~♪
プリントの横に置いた携帯が、流行りのラブソングを流す。



