13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「何?何かついてる?」

じっと見られている事に気付いた都は、口元を触って確認する。

「いや、よく食べるな…って」

本音を言うのは恥ずかしくて、私はそう言った。
まぁ、これも間違いなく本音なのだけど。

「バレーしてたらお腹空くんですぅー」

言いながら、手にしたハンバーガーを口に運ぶ都に、「今日部活なかったでしょ」と突っ込むと、静かに睨まれた。


「そういえばさ…佳奈、まだ部活入ってないの?」
「あー…入ったよ」
「うそっ!いつ?どんな感じっ!?」

興味津々とばかりに、軽く身を乗り出して聞いてくる。

「どんな感じって聞かれても…昨日初めて見学行ったばっかだし」
「え、それでもう入部して来たの?」
「うん」

私が頷くと、都はポカンとした顔をした後、乗り出した身を元に戻した。

「佳奈って…行動早いんだか遅いんだか分かんないよね」

……確かに。

都の言う通りで苦笑する。

もうすぐ夏になるのに、まだ部活を決めていなかったのは、部活をするつもりで居た者からすれば、かなり遅い。
かと思えば、初めての見学に入部届を持って行った私。