♪佳奈side♪
「佳奈!こっち!」
放課後、学校から真っ直ぐ向かったファーストフード店。
自動ドアを跨ぐと、店内を見渡す間もなく名前を呼ばれた。
手招きをしながら待っていたのは都。
見慣れない制服のせいで、一瞬違う人に見えた。
「早かったんだね」
「早く佳奈に会いたくて」
満面の笑みで都は言うけど、それが嘘だということはすぐに分かった。
都と向かい合うように座った二人用のテーブルの上には、食べかけのハンバーガーなどが乗ったトレー。
「私じゃなくて、こっちに会いたかったんでしょ?」
テーブルの上を指差すと、都は「ばれた?」と、笑いながらハンバーガーを持ち上げた。
「佳奈も何か頼んでおいでよ」
「んー…私はいいや」
「何で?お腹空いてないの?」
「あんまりね」
“お腹が空いていない”というより、“食欲がない”そう言った方が本当は正しい。
「ふーん。じゃあ、あたしが佳奈の分まで食べようかなー」
真顔で言いながらカウンターを見る都。
知らない制服で、私とは別の高校に通っているのに、中身は毎日一緒に居たあの頃と同じ。
それが、何だか妙にホッとした。
「佳奈!こっち!」
放課後、学校から真っ直ぐ向かったファーストフード店。
自動ドアを跨ぐと、店内を見渡す間もなく名前を呼ばれた。
手招きをしながら待っていたのは都。
見慣れない制服のせいで、一瞬違う人に見えた。
「早かったんだね」
「早く佳奈に会いたくて」
満面の笑みで都は言うけど、それが嘘だということはすぐに分かった。
都と向かい合うように座った二人用のテーブルの上には、食べかけのハンバーガーなどが乗ったトレー。
「私じゃなくて、こっちに会いたかったんでしょ?」
テーブルの上を指差すと、都は「ばれた?」と、笑いながらハンバーガーを持ち上げた。
「佳奈も何か頼んでおいでよ」
「んー…私はいいや」
「何で?お腹空いてないの?」
「あんまりね」
“お腹が空いていない”というより、“食欲がない”そう言った方が本当は正しい。
「ふーん。じゃあ、あたしが佳奈の分まで食べようかなー」
真顔で言いながらカウンターを見る都。
知らない制服で、私とは別の高校に通っているのに、中身は毎日一緒に居たあの頃と同じ。
それが、何だか妙にホッとした。



