「何やってんのぉ?」
もう聞き慣れた声が、俺と苺先輩の間に入って来た。
「メグちゃんっ!」
苺先輩は心なしか嬉しそうな声を上げる。そう“メグちゃん”こと、苺先輩の友達…間先輩。
「あれぇ?苺ちん、顔真っ赤だよぉ?」
「え?」
指摘された先輩は、ますます赤くなる。
「さては、翔ちんと何かあったなぁ?」
「なっ何もないよっ!?」
言ってるそばから声が裏返ってる苺先輩が、また可愛いくて苦笑する。
「苺ちん、嘘つけない性格だね!翔ちん、何があったのぉ?」
不意に質問されて、一瞬戸惑った。言うべきか、言わないべきか。
だけど俺は、それほど考える間もなく、
「…俺、告白したんです!」
事実を口にしていた。
ちゃんとみんなに知って欲しいと思ったんだ。苺先輩の事が好きだという、俺の気持ち…。
「えっ!じゃあ何っ?苺ちん、自分の彼氏に照れてたのぉ?」
「ちっ違うっ!彼氏じゃないっ!」
楽しそうにからかう間先輩に、苺先輩は声を大きくして否定した。
“彼氏じゃない”その言葉が、胸に突き刺さる。でも、
「そうですよ、まだ彼氏じゃないですよ!間先輩」
“まだ”なんて、ただの強がり。
だけど、自然と笑顔で言う事が出来た。



