13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「何やってんのぉ?」

もう聞き慣れた声が、俺と苺先輩の間に入って来た。

「メグちゃんっ!」

苺先輩は心なしか嬉しそうな声を上げる。そう“メグちゃん”こと、苺先輩の友達…間先輩。

「あれぇ?苺ちん、顔真っ赤だよぉ?」
「え?」

指摘された先輩は、ますます赤くなる。

「さては、翔ちんと何かあったなぁ?」
「なっ何もないよっ!?」

言ってるそばから声が裏返ってる苺先輩が、また可愛いくて苦笑する。

「苺ちん、嘘つけない性格だね!翔ちん、何があったのぉ?」

不意に質問されて、一瞬戸惑った。言うべきか、言わないべきか。

だけど俺は、それほど考える間もなく、

「…俺、告白したんです!」

事実を口にしていた。

ちゃんとみんなに知って欲しいと思ったんだ。苺先輩の事が好きだという、俺の気持ち…。

「えっ!じゃあ何っ?苺ちん、自分の彼氏に照れてたのぉ?」

「ちっ違うっ!彼氏じゃないっ!」

楽しそうにからかう間先輩に、苺先輩は声を大きくして否定した。

“彼氏じゃない”その言葉が、胸に突き刺さる。でも、

「そうですよ、まだ彼氏じゃないですよ!間先輩」

“まだ”なんて、ただの強がり。

だけど、自然と笑顔で言う事が出来た。