結局、家でモタモタしていたせいで、朝は会うことが出来なかった。昼休みも、苺先輩は学食に行ったらしく会えなかった。
だから放課後…。
いつもと同じ時間よりも少し早く、俺は2年5組へと足を運んだ。
開け放たれたドアから、教室の中を覗くと、自分の席に立っている苺先輩の姿が、すぐに目に入った。
ドクン…ドクン…
大きくなる心臓の音。
朝会わなかったのは、やっぱり間違いだった。時間が過ぎるにつれ、気まずさが増し、緊張する一方だ。
あまりの緊張に、この場から逃げ出したいけど、逃げるとそれこそ会えなくなる。
「……ふー」
俺は大きく深呼吸して、教室へと入った。
そして、苺先輩の元までズカズカと足を進める。
もう勢いで突き進むしかない。
「…苺せんぱーいっ!」
俺が呼ぶと、苺先輩はビクッとして振り向いた。
「一緒に帰ろう!」
本当は緊張して、気持ち悪くなりそうなくらいなのに、精一杯笑顔を作って、出来るだけ今までと同じ様に振る舞う。
対して苺先輩は、顔を真っ赤にさせて俯いている…
かと思えば、一度顔を上げて俺の顔をちらっと確認すると、また下を向いた。
…可愛い。
苺先輩の緊張する姿が愛しくて笑う。
すると、少しずつ緊張が解れていくのを感じていた。
その時、



