13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「今までチビって言われても、周りの奴らは、ただ笑ってるだけで…でも、苺先輩は違って俺の気持ちを分かってくれて」

言いながら、自然と顔が綻ぶ。
あの時、本当に嬉しかった。

背が低いことは、どうしようもないことだから誰に何を言われても、むしろ“チャームポイント”として前向きに考えるようにしていた。
だけど、コンプレックスはコンプレックス…。
内心は傷つくことも多かったんだ。

そんな俺を庇ってくれたのは…
その気持ちを分かってくれたのは…

苺先輩ただ1人。


俺は立ち上がって、苺先輩の前に立った。

「俺も先輩の1番の理解者になりますっ!俺と付き合って下さいっ!」

頭を下げる。

「あ…」

そのまま、しばらく苺先輩からは何も言葉が発せられなかった。

やっぱり…

「ダメ…っすか?」

さすがに辛くなって、ゆっくりと顔を上げると、苺先輩は口元に手を当て、俯いていた。

「ごめん…困らせて」

俺の言葉に反応するように、苺先輩は顔を上げた。

-…。

頼むから…

「そんな顔しないで下さいよ」