13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


落ち着いて話せる場所が欲しくて、向かった先は公園。

公園には数人の子供達が、はしゃぎながら遊んでいる。
そんな姿を横目に見ながら、俺達は隅のベンチに座った。


「は、話って何?」

どうやって話を切り出そうか考える暇もなく、苺先輩から話を切り出された。

「あー…あの…」

一瞬またふざけて、自分の気持ちを隠そうかと思った。
だけど、戸惑いながらも真剣に俺を見る苺先輩の目。

愛しくて、誰にも渡したくないと思った。


「…俺と付き合って下さい」

生まれて初めての告白。

「え…?」

「付き合って下さい。ダメっすか?」

びっくりして目を見開く苺先輩を、真っ直ぐに見て再度申し出ると、苺先輩はパッと視線を逸らした。

「どうして…」

苺先輩の唇から漏れる声は、微かに震えている。

「俺…苺先輩のこと、本当に好きになっちゃったんです」

俺自身も、自分の声が震えないようにするのに精一杯で。

「今日俺が3年生に絡まれた時、苺先輩が言ってくれたこと…俺、すっげー嬉しかったんです」

「それはっ」

否定しようとする苺先輩の言葉を遮って、俺は不器用な言葉を続ける。