☆翔side☆
「苺先輩っ!」
教室から階段を降りてきた俺は、玄関に苺先輩の姿を見つけるなり、大声で呼んだ。
「遅くなってごめんなさいっ!」
顔の前で両手を勢いよく合わせると、まるでお参りみたいに「パンッ」と音がした。
「いいよいいよっ」
きっと結構待っていたはずなのに、怒ることなく控えめに笑う姿に癒される。
「じゃあ、帰りましょう!」
「うんっ」
本当はもう少し謝るべき。
だけど、それが出来なかったのは緊張していたから。
ゆっくりと通学路を歩きながら、他愛もない話をするけど、頭の中は違うことでいっぱいだった。
「苺先輩、ちょっと寄り道しても大丈夫ですか?」
タイミングを見計らって、切り出す。
「え…あ…うん」
「帰り道からちょっとずれるんですけど、ついて来て下さい」
躊躇いがちな苺先輩の返事。
そして、何も言わず黙ってついてくる姿に、
きっと苺先輩も今から俺が何をしようとしているか、悟っているんだろうと思った。
ドキン…ドキン…
目的地に近付く度に緊張が増す。
二人して無言で歩きながら、俺は頭の中で何を言うか、精一杯整理した。
「苺先輩っ!」
教室から階段を降りてきた俺は、玄関に苺先輩の姿を見つけるなり、大声で呼んだ。
「遅くなってごめんなさいっ!」
顔の前で両手を勢いよく合わせると、まるでお参りみたいに「パンッ」と音がした。
「いいよいいよっ」
きっと結構待っていたはずなのに、怒ることなく控えめに笑う姿に癒される。
「じゃあ、帰りましょう!」
「うんっ」
本当はもう少し謝るべき。
だけど、それが出来なかったのは緊張していたから。
ゆっくりと通学路を歩きながら、他愛もない話をするけど、頭の中は違うことでいっぱいだった。
「苺先輩、ちょっと寄り道しても大丈夫ですか?」
タイミングを見計らって、切り出す。
「え…あ…うん」
「帰り道からちょっとずれるんですけど、ついて来て下さい」
躊躇いがちな苺先輩の返事。
そして、何も言わず黙ってついてくる姿に、
きっと苺先輩も今から俺が何をしようとしているか、悟っているんだろうと思った。
ドキン…ドキン…
目的地に近付く度に緊張が増す。
二人して無言で歩きながら、俺は頭の中で何を言うか、精一杯整理した。



