13センチの片想い。私とアイツの恋の距離




「やっべー…」

剥がし終えたトーナメント表などを、生徒会に渡し、時計を見て翔が呟いた。

「檜山、急げ!」
「えっ…」

一人で教室へ戻ればいいのに、何も考えていない翔は、私も急かす。
仕方なく、私も早足で教室へと向かう。


「ねぇっ」

何故か黙っていられなくて、私は小走りのまま、前を急ぐ翔を呼んだ。

「何?」
「試合、惜しかったね!」
「まぁな…ってか、見てたんだ?」

翔はこっちを向く。

「…たまたまねっ!準決勝まで行ったんでしょ」
「あぁ」

返事をすると、翔はまた前を向いた。


たまたまなんて嘘。

本当は、翔の試合は全てと言っていいほど見てた。

だけど、翔は私に気付かなかったらしい。


「檜山は?」
「私はすぐ負けちゃった、やっぱ体鈍ってる」
「まだバレー部入ってねぇの?」
「…うん」

入ろうと思いつつ、まだ入部していないのは…

「翔はバレー部入らないの?」

合宿の時と同じ質問を、もう一度投げ掛けた。
今日スポーツ大会で、バレーをしたばっかりだし、“入るよ”って言葉を期待した。

だけど、

「俺、高校では部活しない」