「やっべー…」
剥がし終えたトーナメント表などを、生徒会に渡し、時計を見て翔が呟いた。
「檜山、急げ!」
「えっ…」
一人で教室へ戻ればいいのに、何も考えていない翔は、私も急かす。
仕方なく、私も早足で教室へと向かう。
「ねぇっ」
何故か黙っていられなくて、私は小走りのまま、前を急ぐ翔を呼んだ。
「何?」
「試合、惜しかったね!」
「まぁな…ってか、見てたんだ?」
翔はこっちを向く。
「…たまたまねっ!準決勝まで行ったんでしょ」
「あぁ」
返事をすると、翔はまた前を向いた。
たまたまなんて嘘。
本当は、翔の試合は全てと言っていいほど見てた。
だけど、翔は私に気付かなかったらしい。
「檜山は?」
「私はすぐ負けちゃった、やっぱ体鈍ってる」
「まだバレー部入ってねぇの?」
「…うん」
入ろうと思いつつ、まだ入部していないのは…
「翔はバレー部入らないの?」
合宿の時と同じ質問を、もう一度投げ掛けた。
今日スポーツ大会で、バレーをしたばっかりだし、“入るよ”って言葉を期待した。
だけど、
「俺、高校では部活しない」



