♪佳奈side♪
「お前、まだやってたのかよ?」
かけられた声にドキッとして、振り向けば翔が居た。
彼の姿を確認すると、私はまた前を向いて、掲示板に貼られたトーナメント表を剥がし始める。
放課後の体育館。
体育委員の私達は、スポーツ大会の後片付けをしていた。
「こういうの、いっつも早いくせに、今日は珍しいじゃん」
言いながら、翔もトーナメント表に手を伸ばす。
「翔はいっつも遅いくせに、今日は早いのね」
「ちょっと用事あって…ってか、いつも遅くねぇし!」
“用事”
その内容を知ってるから、わざとゆっくり片付けをしてる。
『話があるから…今日、一緒に帰って下さい』
別に聞こうとしたわけじゃないけど、聞こえてしまった翔の言葉。
もちろん…言った相手は津田先輩。
最後の試合の後、神妙な面持ちでそう告げる翔の姿を見て、
“話”とは何なのか…
何となく分かってしまった。
あまり進まない私の手とは正反対に、翔は手早く画鋲を外す。
「まだ?」と、ばかりにこっちを見られて、私は最後の画鋲を外した。
「お前、まだやってたのかよ?」
かけられた声にドキッとして、振り向けば翔が居た。
彼の姿を確認すると、私はまた前を向いて、掲示板に貼られたトーナメント表を剥がし始める。
放課後の体育館。
体育委員の私達は、スポーツ大会の後片付けをしていた。
「こういうの、いっつも早いくせに、今日は珍しいじゃん」
言いながら、翔もトーナメント表に手を伸ばす。
「翔はいっつも遅いくせに、今日は早いのね」
「ちょっと用事あって…ってか、いつも遅くねぇし!」
“用事”
その内容を知ってるから、わざとゆっくり片付けをしてる。
『話があるから…今日、一緒に帰って下さい』
別に聞こうとしたわけじゃないけど、聞こえてしまった翔の言葉。
もちろん…言った相手は津田先輩。
最後の試合の後、神妙な面持ちでそう告げる翔の姿を見て、
“話”とは何なのか…
何となく分かってしまった。
あまり進まない私の手とは正反対に、翔は手早く画鋲を外す。
「まだ?」と、ばかりにこっちを見られて、私は最後の画鋲を外した。



