13センチの片想い。私とアイツの恋の距離



「苺先輩ーっ!」

試合終了後、俺は真っ先に苺先輩の元へと駆け寄った。

でも、気になるのは…あの背の高い男の先輩。

チラッと顔を確認すると、とても整った綺麗な顔立ちで、男の俺でも瞬間的に“カッコイイ”と思ってしまう程。

やっぱり…

“西藤先輩”だ-…。


「見てくれましたかっ?」

西藤先輩と目が合いそうになって、俺は慌てて苺先輩に話かけた。

「うんっ!翔くんすごいねっ!!」「俺、苺先輩の為に最後決めたんすよっ!」

苺先輩が笑顔で喜んでくれるから…上機嫌でそう言った時、

バコッ!!

「って!」

頭に何かがぶつかって振り向いた。

床に弾みながら落ちたゴムボール。

振り向いた先にいたのは、

「女とイチャついて、いい気になってんじゃねーよ!チビがっ!!」
今さっきの試合相手だった3年生。
周りの空気が、一瞬にして凍りつく。

「ふざけんじゃねーよっ!チビが目障りなんだよっ!」

負けた腹いせだろう。
一方的に暴言を吐いて、3年生は去ろうとした…が、


「…ちっちゃくて何が悪いの?」


背後から聞こえた女の子の声。