「苺先輩ーっ!」
試合終了後、俺は真っ先に苺先輩の元へと駆け寄った。
でも、気になるのは…あの背の高い男の先輩。
チラッと顔を確認すると、とても整った綺麗な顔立ちで、男の俺でも瞬間的に“カッコイイ”と思ってしまう程。
やっぱり…
“西藤先輩”だ-…。
「見てくれましたかっ?」
西藤先輩と目が合いそうになって、俺は慌てて苺先輩に話かけた。
「うんっ!翔くんすごいねっ!!」「俺、苺先輩の為に最後決めたんすよっ!」
苺先輩が笑顔で喜んでくれるから…上機嫌でそう言った時、
バコッ!!
「って!」
頭に何かがぶつかって振り向いた。
床に弾みながら落ちたゴムボール。
振り向いた先にいたのは、
「女とイチャついて、いい気になってんじゃねーよ!チビがっ!!」
今さっきの試合相手だった3年生。
周りの空気が、一瞬にして凍りつく。
「ふざけんじゃねーよっ!チビが目障りなんだよっ!」
負けた腹いせだろう。
一方的に暴言を吐いて、3年生は去ろうとした…が、
「…ちっちゃくて何が悪いの?」
背後から聞こえた女の子の声。



