そして、苺先輩達が中野先輩に連れて来られたのは、もうすぐ試合が終わろうとしている時だった。
試合の相手は3年生。
適当に決めたチームだったけど、みんな意外と運動の出来る奴ばかりで、21-23の接戦を繰り広げていた。
そんな時、コートの横に新たに人が立った気配。
見ると、苺先輩がいた。
隣には中野先輩と間先輩…そして、背の高い見慣れない男の姿。
もしかして…。
直感的に思ったが、苺先輩と目が合って微笑む。
すると、苺先輩も笑って手を振ってくれた。
頑張んなきゃな…!!
やる気が出た俺は、本気でプレーした。
怪我人が出ない様にと、スポーツ大会のボールは、普通のバレーボールではなく、ゴムボールのため動きが難しい。
それでも、苺先輩に「カッコイイ」そう思ってもらいたくて…。
ふわっと軽くクラスメートがボールを真上に上げる。
チャンスだ!
俺は踏み込んで高く飛んだ。
そして…
バンッ!!
「っしゃ!」
思わず、ガッツポーズをする。
俺が打ったアタックは、見事に相手チームの空いた所に入った。
つまり、試合に勝ったんだ。



