13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


アイツが女の子を連れてたって、珍しい事じゃないし。

“呼ばれた”って事は告白だろうけど、体育館裏ってベタな…。


そんな事を考えていると、すぐに到着してしまった。

体育館横の角。
一歩手前で足を止める。

アイツが告白されるのなんて慣れっこだけど、やっぱり覗いてはいけないシーンで…ドキドキする。

そぉー…っと顔を覗かせると、

「…あれ?」

そこに居たのは一人。


少し長めの、光に透けて茶色がかった髪。

何かを見ている横顔は、少し幼い。

「翔」

名前を呼んで歩み寄ると、彼はこっちへ顔を向けた。

岡田 翔(おかだ しょう)。
中学に入って知り合った彼は、同じバレー部所属。3年生こそ違うクラスだったけど、1年と2年は同じクラスだった。

そして…

「ちっさ」

目の前に立った私はまた、思わず口にしてしまった。

「第一声がそれかよっ!そっちがデカすぎなんだよ!」
「なっ、デカすぎって何よ!」

私も大きいけど…

翔の身長は160㎝もない。

そう、彼はちっちゃな男の子だった。