アイツが女の子を連れてたって、珍しい事じゃないし。
“呼ばれた”って事は告白だろうけど、体育館裏ってベタな…。
そんな事を考えていると、すぐに到着してしまった。
体育館横の角。
一歩手前で足を止める。
アイツが告白されるのなんて慣れっこだけど、やっぱり覗いてはいけないシーンで…ドキドキする。
そぉー…っと顔を覗かせると、
「…あれ?」
そこに居たのは一人。
少し長めの、光に透けて茶色がかった髪。
何かを見ている横顔は、少し幼い。
「翔」
名前を呼んで歩み寄ると、彼はこっちへ顔を向けた。
岡田 翔(おかだ しょう)。
中学に入って知り合った彼は、同じバレー部所属。3年生こそ違うクラスだったけど、1年と2年は同じクラスだった。
そして…
「ちっさ」
目の前に立った私はまた、思わず口にしてしまった。
「第一声がそれかよっ!そっちがデカすぎなんだよ!」
「なっ、デカすぎって何よ!」
私も大きいけど…
翔の身長は160㎝もない。
そう、彼はちっちゃな男の子だった。



