「で、でもさ…西藤くんには藤堂先輩が居るでしょ?」
「藤堂先輩って、その人の彼女ですか?」
聞くと、苺先輩は1回頷いた。
こうやってあまり聞かない名前を聞くと、学年の違いを改めて感じる。
「彼女いても関係ないよ~。メグは西藤くんが好き。
それにさぁ、いつどうなるか分かんないじゃん?
意外と明日別れるかもしれないし、今年で先輩卒業だから…卒業したら奪えちゃうかも」
笑顔でそう話す間先輩は、正直怖くて苦笑した。
でも、
「好きなんだもん。諦めちゃ勿体ないじゃん。ね?」
不意に話を振られて、
「そうっすよね!諦めたらそこで終わりですもん!頑張って下さいっ…て不謹慎っすねー」
同意して笑った。
間先輩の言葉に、何だか俺も励まされたような気がした。
キーンコーンカーンコーン…
話をしていると、本当に時間が過ぎるのは早い。
「苺先輩、鳴っちゃったっすよ!?」
「あ…うん」
苺先輩の手元には、半分も食べていない弁当。
「苺ちん、全然食べられてないじゃん!大丈夫ぅ?」
「うん、ありがとう」
笑って返事する苺先輩を見て、間先輩は自分の席へと帰って行った。



