13センチの片想い。私とアイツの恋の距離


「で、でもさ…西藤くんには藤堂先輩が居るでしょ?」
「藤堂先輩って、その人の彼女ですか?」

聞くと、苺先輩は1回頷いた。

こうやってあまり聞かない名前を聞くと、学年の違いを改めて感じる。

「彼女いても関係ないよ~。メグは西藤くんが好き。
それにさぁ、いつどうなるか分かんないじゃん?

意外と明日別れるかもしれないし、今年で先輩卒業だから…卒業したら奪えちゃうかも」

笑顔でそう話す間先輩は、正直怖くて苦笑した。

でも、

「好きなんだもん。諦めちゃ勿体ないじゃん。ね?」

不意に話を振られて、

「そうっすよね!諦めたらそこで終わりですもん!頑張って下さいっ…て不謹慎っすねー」

同意して笑った。

間先輩の言葉に、何だか俺も励まされたような気がした。


キーンコーンカーンコーン…

話をしていると、本当に時間が過ぎるのは早い。

「苺先輩、鳴っちゃったっすよ!?」
「あ…うん」

苺先輩の手元には、半分も食べていない弁当。

「苺ちん、全然食べられてないじゃん!大丈夫ぅ?」
「うん、ありがとう」

笑って返事する苺先輩を見て、間先輩は自分の席へと帰って行った。